第7回MELON環境市民講座レポート
伝説の港☆野蒜築港探検ツアー
日時 2004年9月25日(土)9:45〜15:00
観察場所 鳴瀬川河口鳴瀬町野蒜(のびる)等
講師 山田一裕氏(岩手県立大学総合政策部助教授)
Report 篠原富雄さん
 9月25日(土)、石巻市蛇田の運河交流館を基点に、鳴瀬町の野蒜築港跡、鹿島台町にある元禄潜穴を探検した。講師は岩手県立大学の山田一裕先生です。自然を自然のままということではなく、人間の営みとのかかわりで観ることが大切、運河の景観も運河らしく残すということが大切であるというお話が印象に残りました。  
 見学の基点となった石井閘門は水位に落差のある北上川から北上運河に船がとおれるようにする施設で2つの扉で水の流れを止め、水位調節します。世界中の運河についているそうで、運河交流館のデータベースで見られます。
 野蒜築港跡地までマイクロバスで北上運河沿いを南下、ところどころ、葦が水辺に生えていたり、岸辺が崩れてしまっているところ、松が赤く枯れているところなど見学、何よりも水がにごっているのが残念でした。運河を生かした風景に整備とともに、運河が生きて水が流れていればもっと水がきれいではと思いました。
 野蒜築港は宮城県を河口とする東北地方の2大河川である、北上川と阿武隈川の河口を運河で結び、その中間点である鳴瀬川河口に内航と外航の拠点を作り福島県、宮城県、山形県、岩手県を結ぶ物流の拠点を目的に明治11年に着工されたものでしたが、残念ながら明治17年の台風により突堤が流され、折からのデフレ財政の中で中断のやむなきにいたったものです。もし、そのまま継続していたら、横浜港におとらない一大港になっていた。鳴瀬川に並行する吉田川と鹿島台町品井沼干拓にかかわる元禄潜穴の見学とあわせて、自然と人間のかかわりについて考えさせられるツアーでした。