活動報告

八木山小学校第5学年・気象・防災学習2022

1概要

●学校 仙台市立八木山小学校
●学年 第5学年
●児童数 91名
●教科等 総合的な学習の時間、理科、家庭
●外部連携 東北放送tbc気象台・星野誠気象予報士 防災士・佐藤美嶺氏(MELON理事)

●支援の方向性
仙台市立八木山小学校の5年生の先生から気象・防災学習への協力要請があった。5年生の総合的な学習の時間では「こちら八木山気象台」をテーマに年間を通して気象や防災の学習に取り組んでいる。主な活動内容は以下のとおりである。
小単元1:気象情報についての探究
小単元2:台風を軸とした気象災害についての探究
小単元3:気象災害から身を守るための防災についての探究
気象や防災を子供たちが調べる中において、専門家による話を聞きたいという要望を受けて、気象や防災についての出前授業、さらに、備えとしての災害食についての出前授業を行うことにした。

●主な支援内容

2支援の実際

●出前授業1「小学校5年生のためのお天気講座」(9/6、45分)
tbc気象台・星野誠気象予報士を講師に出前授業を行った。講師と5年生の先生の間に入ってMELONが取り次いだことにより、事前に情報交換をすることができた。

はじめに、 星野気象予報士は、仙台で降ったヒョウのことに触れ、「この日、八木山小学校5年生の皆さんは泉ヶ岳での野外活動中で大変だったと聞いています。」という話からはじまり、子供たちはいっきに話に引き込まれた様子でした。
八木山小学校の先生によると、5年生の皆さんは、総合の単元の中で「こちら八木山気象台」と題し、1年をとおして、理科の天気の単元も生かしながら学習に取り組んでいるとのこと。どうすれば必要な気象情報を手に入れることができるのか、気象災害に対してどのように備えるのかなどのテーマを設定しており、本物の気象予報士さんの話を聞きたいと願っていたそうです。
星野気象予報士のお話は、小学5年生のときに天気予報をテーマに自由研究をしたという自己紹介からはじまりました。
それから、天気予報はどのようにつくられているのかという話では、関係している国の機関(気象庁)や仙台管区気象台のこと、アメダスという機器により、気温、風の強さ、雨の量などが日本各地(全国に約1,300ヶ所)で「観測」されていること、観測データを基にコンピューターが様々な計算をし、私たちがテレビで見る「天気予報」ができあがっていることが分かりました。
さらに、台風などの避難が必要になる気象のこと、地球温暖化のこと、SDGsの気候変動対策についての話がありました。
話をする星野気象予報士

最後の質問タイムでは、気象予報士さんに直接質問できた子供たち。充実した様子がうかがえました。
ストップ温暖化センターみやぎでは、引き続き、八木山小5年生の先生と連携しながら学習支援を行っていく予定です。

(MELONブログより)

●出前授業2「家族に必要な食のそなえを考えよう」(12/6、45分×3クラス)
MELON理事であり、防災士でもある佐藤美嶺氏が講師になって備えとしての災害食についての授業を行った。オンラインで事前に打合せを行って、学習に沿った内容の出前授業をすることができた。

2022年12月6日(火)、仙台市立八木山小学校5年生の各クラスを対象に防災士(NPO法人日本防災士会/防災士会みやぎ)の佐藤美嶺さんによる「家族に必要な“食のそなえを考えよう」が行われました。
最初は、地震直後の家の中の写真や川の堤防が決壊した現場の写真などを交えながらのお話から始まりました。災害が発生すると、水道から水が出なくなったり、コンロ(ガスI)が使えなかったり、電気が使えなかったり…。児童たちは、メモを取りながら話を聴いていました。
避難生活には様々なスタイルがありますが、家がこわれていなければ自宅で生活する「在宅避難」がおすすめだそうです。
そのためには、自宅の備えと様々な支援を受けることが必要とのことでした。様々な支援については、震災後に法律が変わり、避難所にいなくとも「在宅避難」でも受けられるようになったのだとか。
災害後を生きるためには、「食べる」「遊ぶ」「寝る」など、生きるために必要なことがいくつかある中で、この出前授業では、「食」について学びました。 佐藤先生によると、震災前はカンパンやヨウカンなどが「非常食」と呼ばれていましたが、震災後は「災害食」と呼び、日常の延長で考えることが重要だとお話されました。
災害食を備えるポイントとしては、「家族一人一人に合わせる、栄養バランスを考える、大好きなものを忘れずに」と佐藤先生。
話をする佐藤美嶺氏
また、災害食を使うときのポイントとしては、食中毒防止のために直接手で触らないといった「食べ方の工夫」、火が通りやすいように細かくきざむ、洗い物を出さないといった「調理の仕方の工夫」、食材を交換するなどの「助け合い」ということでした。
ワークでは、自分の家族を思い浮かべながらどんな備えが必要かを考えます。例えば、おじいちゃんがいて、入れ歯がないと固いものが食べられないという食まわりの困りごとがある場合には、やわらかい食べ物を備えておく必要がある、という具合です。家族それぞれで事情は異なります。ペットがいる家庭では、ペットの分も考える必要があります。
インターネットで調べたことに加えて、自分や家族のことに目を向け、自分事にしていく授業につながっていく様子がうかがえました。

(MELONブログより)

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