公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

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執筆■鈴木美紀子  2008/3/3up
持ち歩くエコ
 みんなそろって席についてから、はい、両手をあわせて「いただきます」。

 幼稚園に通い始めてそう習ってきた私は、呑みながら1人で先に食べようとする父に「だめ!みんなでたべるの!たべちゃだめ!」と大層怒ったそうです。
 TVで環境に取り組む子ども達が映されていました。VTRの中で「子どもがうるさいからね」と苦笑しながらも、鉛筆一本の太さに水を出して手を洗うお父さん。その姿を見て母がしみじみと「子どもは外で覚えてきたことを家でもやるのよね」と我が家の微笑ましいエピソードを聞かせてくれました。当人はまったく覚えていませんが。
 覚えているのは、箸の持ち方を覚えるのに苦労したこと。正しい指の位置にC型の突起がついたプラスチックの箸を持たせられました。あのお箸の使いにくかったこと!
 最近はマイ箸ブームにのって、職人が1つ1つ作る木のお箸もじわりと人気が出ているとか。子ども用にと買い求めるお母さんも多く、「プラスチックと違ってすべりにくいからかえって持ちやすいみたい」とのこと。持ちやすいから自然ときれいに箸が持てるようになったとの報告も。

 言われてみればたしかに、木のお箸に比べるとプラスチックの箸も、割り箸も、持ちにくいものです。加えて心配なこともありますね。化学物質の影響です。プラスチックの箸は化学物質の塊のようなものですし、割り箸は90%以上が外国産で防カビ剤や漂白剤などが使われています。そして、森林伐採による環境破壊も懸念されます。

 1度使ってそれきりの割り箸。年間で1人あたり平均200膳使っている計算になる、と耳にした時は「そんなに使ってない!」と思ったものです。みなさんはどうですか?
 

 環境に配慮してお箸を置くようになった飲食店も少しずつ増えてきていますが、まだまだ飲食店の割り箸需要は多いもの。通勤・退勤時にスーパーやコンビニの前を通れば、お弁当と割り箸をレジ袋に入れて持つ人は年齢を問わず見かけます。
 MELONの事務局が入っているこのオフィスビルでも、昼時はたくさんの人がレジ袋にお弁当とサービスの割り箸を入れている様が見られます。この人たちがマイバッグを持って、マイ箸を持ってくれたらどんなにかごみが減って環境負荷が減ることでしょう…と思っていたら、最近ではマイバッグ派もちらほらと見かけるようになりました。割り箸も断る人が増えて欲しいものです。

 お箸を持ち歩いて外食時に割り箸を使わない、お弁当を買った時も割り箸はもらわない、「マイ箸運動」と呼ばれる動きが広がってきたのはここ数年のこと。
 「口の中に入れるものだから」「環境にいいことだから」とマイ箸を持ち歩く人が増えた証拠のように、この1〜2年の間で、布製の箸袋があちこちの雑貨屋さんの商品棚に登場しましたね。

 欲を言えば、箸袋はまっすぐ縫いさえできれば手縫いで簡単に作れますから、ぜひ古着を利用して作ってもらいたい。そしてでかける時は、特に外食があらかじめわかっている時は、恥ずかしがらずに、めんどうがらずに、携帯とお財布とマイバッグと一緒にマイ箸も持ってでかけましょう。お店でマイ箸を使っていても意外に周りの人は気づかないものです(笑)。もちろん同じテーブルに着いた人には隠せませんが、「お箸持ち歩いているの!?」という指摘から話が広がります。マイ箸仲間ができたら、どんな箸を使っているのか、どんな箸袋か、誰さんは飲み会の席でマイ箸を忘れてきたとか…マイ箸談義に花が咲き、それもまた食事を楽しくさせるものですよ。

 この春からはマイ箸を持ち歩くエコをはじめてみませんか?
 

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