公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

私たちは、緑と水と食をとおして暮らしを考え、地球と地球環境の保全に寄与するために、多くの市民、知識人、協同組合、企業、団体で作られた環境NGOです。

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12月のテーマ 川崎町における木質バイオマスの未来(川崎町から環境を考える)
日時 2007年12月18日(火)18:00〜20:00
場所 MELON事務局 サロンスペース
■Report■ RNECS松下五樹
 寒い季節になりましたが、みなさんは暖房器具と言うと何を思い浮かべますか?ストーブ、ハロゲンヒーターなど様々な種類があると思います(このレポートもコタツの中からお送りしています)。今回のクラブフォレストでは、暖房などのエネルギーを地元の木から生み出すことで、エネルギー資源を自分たちでまかなおうとしている方のお話を伺いました。

 今回講師として来てくださったのは、「川崎町の資源をいかす会」の理事長で、MELONの評議員もしておられる菊池重雄さん。まずは菊池さんから、「川崎町の資源をいかす会」の活動の様子や「薪ストーブ」について説明をしていただきました。ストーブで暖を取るのに薪…というと、ちょっと時代が逆行しているように思われる方もいるかもしれません。現代では、海外から輸入した石油などから、灯油という形で直接、あるいは発電所で発電に使われて電気という形でエネルギー、特に暖房器具を利用していますが、薪ストーブとは現地で調達した木材をエネルギー資源として利用しようというものです。

地元の木材を使うとどんなメリットがあるのでしょうか?まずは安定したエネルギーの供給ができるということです。海外から輸入している石油などと違い、世界情勢にも左右されません。また、木を育ててから切るので資源があと何年で無くなってしまう…というような心配もいりません。

また、新しい人のつながる社会が作られる点も挙げられます。「川崎町の資源をいかす会」では、会員に実際に森に入って森林の伐採作業をしてもらい、代わりに薪として木材をもらえる、という仕組みになっていますが、伐採ではみんなが仕事を分担して作業をしているそうです。それぞれが自分の得意なこと、出来ることをして皆で助け合ってひとつの作業をしているのです。チェーンソーで木を切る人、切った木材をまとめる人、木材を運ぶ人…自分から進んで動くことで、新しい人と人とのつながりが出来ていく様子は、想像するだけでワクワクしてきます。

地元で作られた薪のストーブを利用することは、近年問題になっている、手入れされずに森林が荒れていくことへの対策になったり、輸送のエネルギーがかからないなど、他にも数々の良い点があります。木材を燃やすと煙が出そう…という心配なども考えられますが、最近の工夫された薪用のストーブでは、煙などもあまりなく(煙は煙突から外へ排気する)、熱量が大きくて快適だと実際に使っている参加者の方からの感想もありました。

 「川崎町の資源をいかす会」では、「食料とエネルギー100%自給宣言」を発表しています。便利で快適な大量生産、大量消費の社会が生み出した多くのマイナス面を克服して地域環境を守っていくために、持続可能な環境に優しい生活を送り、100年後に子孫が「食とエネルギーを100%自給」して楽しく豊かな暮らしが出来るように、自分たちから行動していこう、という宣言です。12月でしたので、最後に菊池さんに「漢字一字で表現すると?」と聞いてみたところ、『楽』。伐採作業なども決して辛いものではなく、むしろ多くの人と一緒に自分たちの生活を作っていくことがとても楽しいとのことでした。

 本当に楽しそうに話をしてくださった菊池さんを見ていると、川崎町での生活が更に魅力的に感じられました。現代社会とは違う生活が、人も生き生きとさせてくれているような気がしました。