公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

私たちは、緑と水と食をとおして暮らしを考え、地球と地球環境の保全に寄与するために、多くの市民、知識人、協同組合、企業、団体で作られた環境NGOです。

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仙臺農塾

仙臺農塾プロジェクトVol.2 第2回
「東北人ならお米でしょ♪ホントにおいしい無農薬ごはんを味わう!」

日時 2013年11月6日(水)19:00~21:00
会場 エル・パーク仙台5階創作アトリエ(仙台市青葉区一番町4-1-1仙台三越定禅寺通り館)
ゲスト 黒澤重雄さん(涌谷町 米農家
料理の提供> 割烹 若鮨(登米市迫町佐沼字中江5丁目2-8)
参加費 4,000円
参加 25名

35haもの水田をすべて無農薬で栽培されている黒澤重雄さん。
8月末に収穫を行う早場米「おもてなし」や綿屋「黒澤米純米吟醸」の酒米など、11種類もの品種のお米を作っています。
他の農家とは違う2歩も3歩も先を考えて農業しないとと、化学肥料を使わず、自ら堆肥作りにも力を入れて、こだわりのお米を作っている黒澤さん。
その今年の新米を、なんと登米からわざわざお越しくださった若鮨さんがその場で握ったお寿司で味わいながら、有機米づくりのお話を伺いました。

お祖父さんの代から(!)有機農業を営む黒澤さんの田んぼは、肥力の高い、健康な土。
寒地では見かけない酒米の「山田錦」も、特に工夫を施すことなく栽培できてしまうのだそうです。
その黒澤さんの山田錦を仕込んでつくられた純米大吟醸「綿屋」(一迫の金の井酒造製造)も堪能させていただいた私たち。これがほんと美味しいのです!

そして黒澤さんと言えば、早生品種の「おもてなし」ですが、今回は農塾参加者の人気が高かったササニシキと、コシヒカリの変異種であるスーパーライスをいただきました。スーパーライスは一粒一粒が大きくて、お寿司との相性もばっちり!
写真では分かりにくいですが、片方がコシヒカリで片方がスーパーライスです。

水田は有機JASや県の特別栽培認証(無・無)を受けているとのことでしたが、黒澤さんの栽培方法は、認証基準よりももっと徹底されたものです。
肥培管理では堆肥を入れて土づくりをし、藁を漉き込む程度、とのこと。
ただし、もみ殻・米ぬか・発酵菌を使用してつくった自家製堆肥は、そう簡単にまねできないもののよう。
また、近代的な畜産施設から出た家畜糞尿は使わないそうです。
家畜のエサに何が含まれているかわからないからだとか。

「山田錦を育てるのは何か工夫をされてるのですか?」との質問に対し、
「何も苦労はありません。楽しんでいるだけです。」と言ってのけるその姿に驚きました。
その規模とこだわりへの自信が、周囲に屈したり信念を曲げたりしない黒澤さんの勇気の源になっているのかなぁ、という気がしました。

黒澤さんのお米ですが、出荷されている生協さんや、黒澤さんから直接購入することもできます。今日、会場に来てくださった若鮨さんのお店でも食べることができます(新メニューの牛の生肉をつかったお寿司がとても美味しいそうですよ)。

黒澤さんの新米を使った上等な握り寿司。
黒澤さんが合鴨農法の田んぼからあげられた後、引き取って新米を食べて育てている鴨を使った、鴨鍋。
黒澤さんの酒米で作られた、綿谷のお酒。
若鮨さんからさらに、空き缶を使って家庭で簡単にお米が炊ける方法も教えていただき、お話しも料理もお腹いっぱい堪能しました!