公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

私たちは、緑と水と食をとおして暮らしを考え、地球と地球環境の保全に寄与するために、多くの市民、知識人、協同組合、企業、団体で作られた環境NGOです。

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仙臺農塾

仙臺農塾プロジェクトVol.2 第3回
「料理人に教わる本当の『うま味』~料理の味は出汁から始まる~」

日時 2014年1月15日(水)
29日(水)19:00~21:00
会場 土井親方のこだわり料理「縁」(青葉区大町2丁目13-9幸田ビル1F)
ゲスト 土井明親方
参加費 4,500円
参加 15日16名、29日17名

ユネスコ無形文化遺産に登録された『和食』。
でも、化学調味料や既製品があふれて便利になる中、「だし」を自分で取る人、「だし」の味の違いが分かる日本人がどれだけいるでしょう?
みやぎ食材伝道師三ツ星の土井明親方から、じっくりと「だし」を教わり、味わいました。

※和食への関心が高まっているためか、今回はすぐに定員がいっぱいになってしまい、同じ内容で追加開催しました。

今回のゲスト、やわらかな物腰で優しい人柄の土井親方。
和食や素材についていろいろお話をしてくださいました。

食材に目覚めたのは直売所で食べたトマトがきっかけ。
こんなにも違うものかと衝撃を受け、それから食材に関心を持ち、こだわり始めたそうです。
実際に畑に行ったり、地元の食材を取り寄せたりと宮城の食材の魅力を実感。
それを活かした料理をするようになったと言います。

早速、だしの取り方を見せてくださいました。
さながら撮影会のよう。みなさん携帯カメラを片手に土井親方の一挙手一投足を撮影していました。
コツは温度です。
60~70度のお湯に昆布を入れ、30分~1時間そのままの温度をキープしてゆっくりと煮出すと、まるで昆布茶のごとき昆布の味がしっかりとした出汁ができました。

昆布を取り出したら、沸騰寸前まで温度をあげて火を止め、かつお節を一気に加えます。
浮いているかつお節は箸で沈め、10秒ほどで、すぐ布やキッチンペーパーでこします。
かつお節を絞っちゃダメですよ。
一番だしは絞らず、贅沢なおいしさを楽しんでください。

できあがった一番だし。
金色に輝いてますね~~
少しにごって見えますが、しばらく置くと、粒が沈み、澄んだ出汁になるそうです。
このだしを味見してみると、昆布とかつお節のバランスが良くしっかりと味わい深い出汁になっていました。
塩分がなくてもおいしい!!出汁文化のある日本に住んでて良かった…。

ちなみに、出汁をとった昆布とかつお節は二番だしに使います。
一番出しは出汁のうま味をそのまま味わえるお吸い物などに、二番だしは煮物などに使うと良いそうです。

いただいた茶懐石。
一汁三菜のやさしいお味、でもそれぞれの味をしっかりと味わえる料理たちでした。
たけのこ白菜のお浸し、へそ大根、にっぺの人参、山形の千歳山こんにゃく、平目のこぶ締めとお刺身、焼き魚。
土井親方は地域の食材にもこだわり、素材の味を引き出す料理でした。
見本でとった出汁は、三浦さんのセリ入りしんじょうのお吸い物に変身。
だしまき卵もふんわりと味わい深くて、おいしかった~!こんなにおいしいだしまき卵は初めてでした。

今回は、本当にたくさんの方が感心を寄せていただき、「和食」や「だし」に関心がある方がこんなに多いのかと驚きでした。
「出汁」って本当に「味の基本」なんだと実感。
美味しい出汁が取れれば、その出汁をいかした料理が作りたくなる。
それは自然と素材を生かした料理になります。
そして素材にもこだわってみようかと思う。
出汁を出発点に、とても広がりのあるテーマだったのだと気づきました。

参加されたみなさん、ぜひご自宅で出しをとってみて、いろんな方におふるまいしてくださいね♪♪