公益財団法人 みやぎ・環境とくらし・ネットワーク

私たちは、緑と水と食をとおして暮らしを考え、地球と地球環境の保全に寄与するために、多くの市民、知識人、協同組合、企業、団体で作られた環境NGOです。

宮城県仙台市の公益財団法人みやぎ環境とくらしネットワーク(MELON)の公式ホームページ。部会活動や環境に関するイベントの情報発信、ボランティア募集等を行っております。

エコシティ【旧サイトの内容です】

VPRESS BackNamber●7.割りばしのリサイクル
 
 こんにちは、MELONです! 今年から、分別回収した割りばしは日本製紙さんの工場で、紙にリサイクルされています。でも、割りばしって、エコ活動では敵なんでしたっけ? 
 そもそも割りばしというのは、間伐材(間引いた木材)、端材(木材を切ったあとにでる余り)を有効利用してできたものなのです。そして、割りばしで得た利益で、植林をするというような循環を林野庁を中心につくったわけで、もったいない精神でできた割りばしは、かつては、環境と経済を両立させる役割を担っていたのです。
 状況が変わったのは、輸入物が増えてからで、林野庁の統計ですと、平成17年に日本で使われた割りばし約259億膳(ぜん)のうち約253億膳が中国からの輸入です。中国では木をまるごと一本切り倒す「皆伐」という方式がとられていて、これだと、割りばし=即、森林破壊、という図式になります。そうした中で、中国政府は昨年3月、森林保護を理由に割りばし生産を制限し、将来的には輸出を禁止することを決定し、また代表的なシラカバ製の割りばしの値段は3割程度上昇してしまったのです。

 これに対応するように、一部のコンビニチェーンが昨年の9月からから、割りばしの一部有料化をスタートしました。これは、希望があれば日本国産の割りばし(奈良県吉野ヒノキ製。木材加工の際に生じる余った端材の有効利用)を1膳5円で提供するものです。、「『5円の木づかい』が地球温暖化防止につながります!」と割りばしの袋に印刷されています。林野庁によれば「適切に管理された森林は、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の吸収量拡大に欠かせない。国産材の割りばしは、森林を育てる過程で切り出されたものを材料として使うので、その割りばしが売れることは森林の育成に役立つ。」(2006年9月1日 付、読売新聞より)というわけです。

 こうした割りばしを取り巻く環境の変化で、マイ箸運動が全国に展開されていて、飲食店でも塗りばしのように何回も使える箸を置くようになってきています。こうしたことを背景に、各製紙会社は割りばしのリサイクル(サーマルリサイクルではなく、マテリアルリサイクル=割りばし から 紙へ)を積極的に進めるようになってきています。

 みなさんが使った割りばしはエコステーションで集められています。ボランティアのみなさんは、割りばしを、雑巾でよく拭いて汚れをとっています。こうした割りばしは製紙工場に送られ、他の木材チップと一緒に混ぜられ、パルプになるのです。割りばし3膳からA4用紙1枚。別の製紙会社の工場では200膳でティッシュペーパーが5箱できるそうです。
 
 箸を使う民族独特の特徴をもつ、私たち。だから、(1)マイ箸、(2)国産割りばし、そして(3)リサイクル の3本立てで行きましょうよ。


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